山が動くなどと・・・・
考える事など
誰がしようか
栗駒山はなくなった
悲しみの雨が降りませんように
冷たい雨はいりません
ただ、恵みの雨が降りますように
しとしと しとしと と
恵の雨がたくさんいつまでも
そそがれますように
生きる希望と勇気と
生きる支えが
あふれて止みませんように
嗚呼
雲が流れる
吹雪が飛ぶ
帽子が飛ぶ
桜吹雪も飛んでゆく
落ち葉も飛ぶ
風はかろやかに
地球を巡って
巡って 巡って
私の頬をかすって行くのかと思えば
風は竜巻になったり
台風になったりする
嗚呼
畑には
土のにおい
トマトのにおい
草のにおい
木が揺れる
洗濯物もゆれる
黄色い麦がゆれる
嗚呼
今日も
風がみえる
お花畑の春の風は優しかった
冬の吹雪は山の向こうから
地球の端から飛んでくる
激しく風が見えてくる
見えない風が見えてくる
見えない風が見える
嗚呼 風が見える
湖に行かなくなった
詩を書かなくなった
絵も描かなくなった
ドライブもしなくなった
珈琲も飲まなくなった
喫茶店にも行かなくなった
畑に行って
汗を噴き出すようになった
こんなにねばねばした汗ってあるのだろうか
真夜中に
となりのとなりのおうちに行くようになった
不思議なことはないよ
自動販売機があるからだよ
たばこじゃないよ
清涼飲料水だ
真夜中だよ
パジャマで出かけるんだ
何歩ほどだろう
三十歩か四十歩か
そんなにないかもしれない
猫も泣かない
犬も吠えない
蛙だけがやけに鳴いている
欲しいんだよ
炭酸が
ただそれだけだと思うのだけれど・・・
月や星も手に入れたいような気がする
月や星って なんだよう
どうして
そんなに
空を
くりかえし くりかえし
見上げ続けるの
明るい日にも
暗い空にも
空は限りなく私に近いから
けっして
孤独とは
言わないけれど
ただ空が好きだから
空の下では わたしは
わたしという一人しかいないだろうから
私の心を
落としてみたい
あの青の下にはどんな色が見えるの
あの青の上にはどんな色を
落として見ようか・・・
瞳孔は細く
太陽はまぶしい
太陽は六千度で燃えている
もう西の方角
春風は強く吹いて冷たい
猫の黒い毛がなびいている
太陽はほどよく暖かく
風をうけて
目を閉じてみた
太陽はまぶたの裏で真っ赤になって
まなこの中で真っ赤に燃えて
そして脳の奥にまで届いた
私は猫を抱きながら
回想した
わが子を抱いてすごした
幾年かのことを・・・
暖かかった
心が自由になった
幸せが巡って来たと思った
太陽が燃えるように私の心は久しぶりに静かに燃える
空の電線の上を小鳥が自由に舞い自由に鳴いている
猫はハンティングをしたいと思っているに違いない
回想しているに違いない
何を思うのか・・・
脊髄を損傷してアザラシのようになった黒猫が
前足だけで庭に道路に出て行こうとする
さっと抱き上げた
腕の中にぎゅっと抱きしめた
六千度で燃える太陽のしたにある
喜びも笑いも・・・
悲しみも憂いも・・・
太陽が暖かくしてくれる
すべてのいとなみを
ずっと心に抱き続けていたい
冷たくて爽やかな風と太陽の暖かさが
交じり合うよ
わたしの腕の中で
猫がくつろいでいる
アイボリーって
どんな色
もくれんの花が咲いた
アイボリーだよ
この花の色が本物のアイボリーよ
きれい
おだやかあ
うつくしい
おちつく
そんな花
アイボリーのもくれん
白のもくれんなんて・・・言わないで
アイボリー・・・
さくらの はなは
まいとし
きれいに咲いてくれるのだが
さくらは
うるわしかったり
せつなかったり
かなしかったり
さくらの きを
とおくから眺めてみたり
抱きしめてみたかったりする
まいとし
まいとしの
くりかえし
そして
散ってゆくと
やがて
すべて忘れてしまうのです
いちおうは・・・母らしく
母親の私は
時間の許す限り
娘の部屋のキッチンで
手料理に励んでいた
うぐいすが
一日中鳴いていた
いったいどれだけの
うぐいすたちが鳴いているのだろうかと思った
間の取り方がすばらしくて感動したのだ
娘よ
穏やかな人生を送ってほしい
のどかな春の陽気に
料理の手は弾んだ
冬のなごりと
春を待つ喜びを
讃えてきた白い梅の花
今日の風もまだ冷たい・・・
三寒四温の季節は
ゆっくりすすむ
雪深いこの地には
春はゆっくり巡り来る
手入れのされていない
自由に伸びたすぎた
大木の梅の木を見て
・・・綺麗ねと娘は言った
昔は・・・
若いころは
嵐の音を聞きながら
自分の人生をのろったものだ
今は
嵐の音が
心に優しく染みていくようになった
なぜ・・
今は
嵐が来ると
耳を傾けているのは
・・・どうしてなのだろう
やまこはどこで生まれたのだろう
やまこのお父さんはどんな顔だろう
やまこの母さんはどんな毛並みなのだろう
やまこは真っ黒の黒猫だ
やまこはどこを歩いていたのだろう
やまこは本当は名前をなんと呼ばれていたのだろう
やまこは車が怖い
やまこは下半身不随になってしまった
やまこは猫なのにあざらしになった
それでも やまこは廊下を走る
・・・はやい
前足だけで障子をあがる
・・・降りる
私の寝床に乗り上げ
あつかましく
私よりも先に眠るようになった
やまこー
かわいいよおー
あいしてるよー
やまこはどこかで車に轢かれた
やさしいおじさんと
優しいお医者さんと
優しいお姉さんが助けてくれた
「やまこ」と新しい名前もつけてもらった
やまこ・・・おいで
・・・おうちにかえろうと
我が家にやってきた。
やまこは 困った事があると
わああーん・・・・わああーん
わああーん・・・・わああーんと泣く
やまこ・・・
怒涛の人生に
祝福あれ
生きろ
生きろ やまこ
葉を落とした
冬の樹木よ
どんな寒さにも
どんな吹雪にも
凛として立っている
冬の樹木よ
冬を乗り切る力を蓄えている
わたしの心の支え
精巧な
切り紙の作品のように
鉛色の空の額縁に入っている
微塵も動かない
直立不動の
葉のない木々
好きだよ
冬の樹木よ
そうやってして
私も春を迎えたいと思う
ドンと降れよと
空の真上をみあげる
ドンと降れよと
荒涼としたこころで
枯れた田畑を眺めながら
雪を待つ
寒さに耐える
緊張の日々は
豊かな恵みの季節
雪の恵みを
ひとつ・・・
ふたつと
かぞえて
雪化粧した山の稜線の
遥かかなたに
こころが釘付けとなる
ゆきよ ドンと降れ!
鉛色の空は
いっぺんして
白くなり
白い空から
真っ白いものが降ってきて
山も田畑も道路も
家々の屋根も
ただ白い
何もかもの境目がなくなり
わたしの まなこは
うつろになる
運転する車の前は
吹雪がたたきつけ
不思議な世界を
あたまがきーんとなりながら
ただ前に進むのみ
わたしのまなこは
どこをみる・・・
りんごをもらった
甘い蜜のたっぷりしたたる
皮までやわらかい
蜜の入った
蜜りんご
ねっころがって
皮ごと
かじった
たぶん外は
冬の装いだろうなあ
この屋根に
まあるい大きい窓があって・・・・
雲の流れる様子を
みあげながら
りんごをかじってみたいなあ
青い空でも
黒い雲でも
雪の舞う空でも
どんな空でもいいんだ・・・・
甘い蜜の入ったりんごから
頬に 指に
いっぱい
汁が落ちてきた
口の周りは
果汁でぬれて
あんぐり大きな口をあけて
がぶりと
しあわせをたっぷり
感じた
パソコンの不具合にて、しばらく詩の投稿をお休みさせていただきます。 2008・1・20
障子の張替えをして何年たつの・・・
最近は
いい感じに
江戸時代のような
雰囲気の日差しの差しぐあい
まあっ それもいいかあ
なんて やせがまん
ねこは
みごとに
あなをあけて
びーりびーり
楽しんでしまった
まあっ ! ・・・それはよして!
あっというまに
哀愁のただなか
あわれだねえ
かなしいねえ
さくらの花
うめのはな
丸い紙・・・
たくさん貼った
真っ白い平成の障子紙
春が来た
春が来た
正月らしくなった
新年が来た
このあたりでは
一番高いといわれている
格好のいい山に
雪が降った
雪化粧した山の
頂上は霧に包まれているようで
シュークリームのような
まあるい雲が
真横にいくつか並んでいる
冬なんだね
冬なのよ
そうだよ 冬が来たのよね
きりっとする
肌が・・・
体が・・・
気持ちが!
黒猫のくろちゃんは
満月の夜に
我が家にやってきた
家中を走り回り
あらいぐまのように目を
まん丸にして
突進してくる
目覚まし時計も飛び越えて
走ってくる
食欲も旺盛で
にゃあにゃあと空腹を訴える
太くなってきた太ももを見て
やんちゃな猫をもらったものだと
おどろいていた
生まれて三月ほどの
くろちゃんは
おおおう おおおうと
激しく泣いているとき
私のそばにそっと寄ってきて
顔まで上ってきて
あふれる涙を
なめてくれた
顔も腕もなめてくれた
私の涙の味をなめてくれたのは
あとにも先にも
くろちゃんだけだよ
くろちゃんを抱きながら
たくさん泣いた
くろちゃんありがとう
その夜
くろちゃんは
私の足元に入ってきてくれて
朝まで
いっしょに眠ってくれた
毛並みの
感触が
やさしくて 嬉しかった
師走に猫が走る
いとおしき猫が走る
わたしは
たくさん笑うようになった
気持ちの交わらなかった
母と私
私は
母が全く分からなかった
怪物のような存在だった
母は
わたしが
苦しいことに直面するたびに
少しずつ
少しずつ
おかあさんになっていった
最近
老いて
おばあちゃんになった
母は
やっとおかあちゃんに
なってきたような気がする
母にと思い買ってきた
きんつばを
ありがとうと
嬉しそうに
うけとってくれた
すこしは
あなたの娘になれただろうか・・・・
袋小路に入ったら
袋小路でとまったらね
空だけが見えたんだ
あおいそらだった
きれいだったなあ
優しい薄い青色やったなあ
思わず見上げてしまった
大空
わたしをすいあげてくれそうやった
わたしが
利き目の左の目で
見たものは
ことばになるんだ
わたしが
心に刻んだことは
ことばになるんだ
短い人生のひとこまが
ミルフィーユのように
重なると
ことばになるんだ
かなしみがたくさんあると
嬉しいことがよく見えるようになるんだ
利き目は左の目だけど
言葉になるときは
心がうずくんだよ
銀色に
馬の毛並みのような輝き
銀の馬の毛並みように
風に揺れる
すすきに
秋の低い日差しが
やさしくふりそそいでいる
栄えている
秋は
栄えている
私の心は 弾んだ
すすきが
いっぱいの
野原を
銀の馬に乗るように
おもいっきり
駆けてみたい
心が躍る
すすきの野原は 楽しい
秋は楽しい
心は楽しい
よろこびは
スライドショーのように
次から次から
脳裏のなかを
巡ってゆくというのに
かなしみは
なぜ
いつまでも
心の中に刺さったままなのか
なぜなのか
わたしはわからなくなって
かなしくなった
魔法使いが
大きい箒で掃いたように
落ち葉は
北風に翻弄されて
からころ からころ
から から から ころ
ころ から ころ から
袋小路まで飛ばされていく
落ち葉は
ズックの靴に踏まれて
しゃり しゃり しゃん
しゃり しゃり しゃん
音を立てる
魔法使いが
指揮棒をふったように
秋の音が
落ち葉から聞こえてきます
わたしは
厚い落ち葉の道を
踏んで歩きます
くるくる廻ります
ひゅる ひゅる ひゅる るるん
ひゅーう ひゅーう
ひゅる ひゅる ひゅる るるん
北風と落ち葉のメロディにのって
しゃり しゃり しゃん しゃん
ひゅーう ひゅーう
落ち葉が舞う
風が舞う
落ち葉を踏む音とともに
冬が近づく
みつけた・・・
どんぐりの実
まだ緑色のどんぐりの実
枝にくっついて
どんぐり坊やがたくさん
みあげた・・・
どんぐりの木
秋の空が
見え隠れしている
この木の下で
わたしは
真夏に
蝉を探していた
やかましい声の主を探していた
いまは
同じどんぐりの木に
ひとり もたれかかり
秋のいろどりに
みたされている
ああ
あんなところに
むらさきしきぶが
実をたわわにつけて
ひっそりと
揺れている
秋の日差しに
照り輝いている
みつけた・・・
自分のこころの中の色
春でもなければ夏でもなく
冬でもない
むらさきしきぶの 秋の風情
ああ、あの桜の老木は
ねじれながら、老いていくではないか
ねじれながら、美しい花を咲かせるではないか
人は泣き声をもって
生まれてくるではないか
泣いていいのだよ
大声を上げて泣いて生きていくのだよ
泣きたいだけ泣くのだよ
どのようにして生きるのですかと問わなくてもいいのだよ
何が残っているのですかと問わなくてもいいのだよ
心が残っているではありませんか
心が生きるのですよ
秋雨に
打たれ潤う
まんじゅしゃげ
つよい花だよ
葉より先に赤い花を地面から
突き出すなんて
赤い花が先なんて・・・
そんな決断私にはできない
雨の日に霞んで
みえる
まんじゅしゃげの花
・・・南から太陽が
背中を暖めてくれて
・・・さらっとした北風が
まっかなTシャツのなかを
抜けていく
風は 私のこころの中を
ふれて行き
さらに彼方に 行った
冷たい風だった
まっかなTシャツをきて
太陽に背を向けて
体操をした
朝の
・・・ウォーミングアップ
・・・うつくしい
・・・ただうつくしいのだから
浮かんでいる
雲を手に取りたい
どうしても
と、つぶやく
山を越えて
空に行きたい
あの雲のところへ
ちょっとドライブ・・・
トンネルを抜けようよ
山の向こうがわへ
と、つぶやいた
トンネルを抜けると
みずうみだ
その雲は
みずうみの対岸の
山の上の
はるか彼方だった
トンネルの
こちら側は ゆめ きぼう
あちら側は ゲンジツ