朝が来た

北へ 南へ
幾本かの 貨物列車が
通り過ぎ
横になっては
起き上がり
電灯をつけては消して
雷鳴を聴いた
雨粒のたたく音を聴いた
カラスの目覚めの鳴き声を聴き
ついに闇は どこかに行き
白い朝が来てしまった


一睡もできぬままに
黒とんぼの
雨宿りを みつめる朝
黒とんぼの
羽休めに はっとする朝


こういう目覚めもあるものなのね・・・

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朝焼けと カラス

が・あ・あ・あ・あ・あ
が・が・あ・あ・あ・・あ
が・あが・あが・あ・・あ

・・なんて得意げに
あさの、発声練習
見せてもらった
電線の上の・・・
見上げてしまったよ・・・

ごぜん4時からの
朝焼けに
感動  感動

なぜか
なぜか
カラスが
朝焼けに照らされて
美しい黒だった

生まれて初めて
真っ黒カラスを
美しいと感じた

生まれて初めて
カラスは
歌を歌う
鳥だと知った


下手だけど。
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燃えない・シンドローム

星のささやきなんて
嘘よ

蛍が
手のひらから
指まで上って
飛び立った
命の光なのに
体の重さ
ふわん ふわんじゃないか
拍子が抜けた

わたしは
太陽の
燃える音
聴いたことないの

知っているのは
かまどでご飯炊く
燃える薪の音
お風呂をたきつける
薪の音・・・・・たかがそれ位

八十度で、麦茶延々と沸かすみたいに
沸騰しない
そういう日々の繰り返し

オイルをたっぷり入れた
油絵の具で
身の丈ほどのキャンバスに
真っ赤な赤で描いてみたい

タイトルは 「燃えない・シンドローム」
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お茶をどうぞ 「走れ!でんどう三輪車」のいのうえつとむさん・でんさんが贈ってくださった詩です

 お茶をどうぞ  いのうえ つとむ

そっと椅子を出されて
進められるままに
木の椅子に
ゆっくり座った

透明な窓ガラスに
梅雨晴れの青い空が
白い雲を
ゆっくり流している

娼婦が偽りの心を隠して
煙草をくわえて
薄紫の煙を
ゆっくりふかしている

(そんな想いが心によぎり)

憂鬱な気持を煙のように
窓の外へ飛ばしたみたい
貴女の胸の中で
ゆっくりお茶を飲みながら
 

 (2007・6・17)
 (この詩は・がいあん とぴあん・さんに贈る)

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パパといっしょに

雨の日に
お散歩する人いるのね・・・

素敵よパパさん

雨の日の
お散歩は傘をさしてね・・・

パパは 白いシャツ着て
自転車の前に
小さい子供を乗せて
傘をさして
雨の日にお散歩していました

まだ幼い子は後ろを振返り
パパの顔を
見上げるのです

パパと何のお話でしょうね・・・

やさしい雨
見せてあげたいよ
いっしょにみたいよ

ありがとうパパ
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ハイビスカスの花咲く島

きみと旅した道
石垣の続く土の道
今もそのままでしょうか

きみと旅した島
水牛の引く観光の車
今もそのままでしょうか

きみと歩いた道
ハイビスカスの花の咲く道
今日も咲いているでしょう

水牛のおおきい目と
おちついた足取り
堂々とした歩きっぷり
どうせ生きるのなら
水牛のように
何でも牽いていく力と
武者震いをください

赤いハイビスカスを
かんざしにして
明日に向かって
歩いてみよう
どうせ生きるのなら
ハイビスカスのように
さわやかで真っ赤な
戦いであってほしい
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お茶をどうぞ

あなたには悲しみがありますか
あなたには赦せない事がありますか
あなたには自分の姿がみえますか

わたしは人の姿ばかり見る人です
わたしには憤りがあります
わたしには悲しみがあります

あなたは誰でも赦せますか

わたしは寂しい人にならないで
わたしの心の中に
わたしの喫茶店を
開店します

わたしは赦しましたというなまえの喫茶店です


きてください
ふらっと来てください
最高の玉露をお入れいたします
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きみの名前をしりません

あたらしい
葦の葉が
あたらしい緑を
ざわざわ させながら
生き物を 呼び寄せました
私もきました

池の上は
しずかです ゆれています
蓮の葉は 
空をまち受けているかのようで
これからの雨を飲んでくれそうでした
きみは 声を出さないのですか と
話しかけたくなるほど 美しい
薄いブルーの存在は 蜻蛉
牛蛙の 相変わらずの太い声は 遠くて
今日は 葦のざわざわに 負けてしまいました

ぼんやりしていたら
玉虫色の大きなきれいな物が
池の上を すばやく
横切ったではありませんか
私は
きみの名前を知りません

葦は 池をまもる
ああ 池は楽しい
ああ たのしい
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うつし紙と稲妻

なぜでしょう
どうしても
みとどけたいとおもってしまいます
稲妻の魅力に 釘づけでした


その轟き
その広さ
その鋭さ


稲妻は


うすっぺらい
うつし紙のような
私のハートを
みごとに
射抜いていきました

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足さん       「走れ! でんどう三輪車」 の       いのうえつとむさん ・でんどう三輪車さんが贈ってくださった 詩 

足さん
足さん有り難う

苦しかろうね
一日じゅう靴の中

足さん
足さん有り難う

裸足になって
風にあたれば嬉かろう

足さん
足さん有り難う

歩き回って痛かろう
働きずめで疲れたろう

足さん
足さん有り難う

生まれたときから
重い体をおんぶして

足さん
足さん有り難う

綺麗な小川で遊びましよう
ゆっくり温泉に浸かりましょう

足さん
足さん有り難う

いつか休める時が来るのです
それは僕には解らない
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紫陽花

暗雲は沈黙を破り
雷鳴を響かせて
シャワーを大地に叩きつけた 
人々は沈黙して待っている
外国の人はたどたどしく
電車の行き先を聞いている
私はオーケーサインを出してあげた
高校生は黙って
背中を濡らしたまま立っている
頭と顔をぬぐいながら女子高生も黙っていた

少年は遠くのほうに立っていて
おばさん
こっちにおいでよと呼んでくれた
長い細い道が続いていた
その先は見えない

雨の音の中で
夢を見た
白い空の下
紫陽花が揺れていた
しとやかに葉をふるわせ
花はなにもなかったかのように
たたずんでいた
土の香りと
雨のにおいを風が運んできた

私は少年に言った
壷がなくなりました
健康という壷をなくしましたよと言った


静かに微笑んで
優しいまなざしで
少年は
おばさん生きてねと言って
大きな壷をさしだしてくれた
雨のしずくで潤った
あざやかな紫陽花の花がたくさん
花がたくさん
さしてあった

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麦畑

麦畑 今年も麦畑は
麦畑は刈り取りをむかえました
いちめん黄金色の
豪華な畑を刈り取るのは
ちょっぴりさみしいです
お日様の恵みを
たくさんもらって
豊かで
見事なできばえの
畑になりました

病院のベットの上にいたのは
二十年前

ふるさとに思いを馳せ
遠くを見ているときに
一日一日 輝いていく
畑の移り変わりは
ママになろうとしている
病気の私を慰めました

息子は
もうすぐ
二十歳になります
7月4日は
彼の誕生日です

今年もありがとう
麦畑
また来年 会いましょう

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畑のオブジェ

みわたすと
かわいくて かわいくて・・・
かわいくて おおきい アイボリーの
丸いぼうずの花を つけている
その格好が 面白い
葱ぼうずが
夕方の風に揺れました
心がおどります
・・・ふとっちょ葱の 葱ぼうずは
愛くるしい

葱ぼうずは
畑の オブジェ
かわいい オブジェ
これは畑の管理人さんの宝物
何か おなかいっぱい 食べたような
よく太った葱
いっぽん いっぽん
緩やかなカーブを描いていて
でも 整列しているようでもあるのです
青々として 力強さがあります
ご立派です



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隠れ家 通い場

部活の部室みたいなところ
ガラガラと音のする、入り口
箱を開けると、トランペットやサキソホーンが眠っていて
油絵の具のにおいもかすかにして
板の床にごろごろして
本を読むの
図書館は嫌いだけど、本は好きなんだ

そんな
場所に時々行きたくなる



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朝飯

静かな朝
水田の中を、灰色の鳥が静かに静かに歩いていた
首を伸ばし、足を延ばし、ぬきあし さしあし しのびあし・・・
泥の中にくちばしつっこんでいた

おーい、朝飯、おわったかあ。
私がカラスだったらそういうかもね。




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柔道

まぶたをとじた
興奮が
スライドショウを繰り広げている
試合会場は
声援と拍手と
戦う者若者の
腹から出る高い声低い声が
マーブルのようになって
怒涛のようにうごめいて
充満していた


戦いつくした最後の決勝戦に
いくつもの目が注がれていた
数え切れない視線
公正な審判の視線
冷静な監督の激
手を握り締める親の気持ち
友を応援する篤い心

柔道の決勝戦
激突する力と力 技と技
激突する勝利への思い
負けを味わった者たちの視線は
畳の上の激戦の全てを
見逃すまいと見守っている


勝者となった若者は
くしゃくしゃの顔で
声をあげて泣いていた


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